幼い頃、
カブトムシ や クワガタ、セミなどを
つかまえて楽しんでいた。
あれから40年程たった今でも、
私は生きている。
当時の虫たちは全員死んだ。
今見かける虫たちは、
彼らの子孫たちだ。
植物も動物も同じだ。
過去に見たもの、触れたもの、食べたもの
の子孫を
今、見たり触れたり食べたりしている。
そうやって私は生かされてきた。
そして、そのうち私も消える。
地球というフィールドに、
命が注ぎ込まれては消えていく。
そのタイミングと滞在期間が
それぞれ違うだけだ。
そんな はかない世界で
一瞬でも何かと関わり合えたなら、
それは奇跡的な縁なのかもしれない。
出会う人、住む場所、食べるもの、
着る服、観る映画、聴く曲、受け取る情報、
自分の発する言葉も思考も感情も
すべて縁なのかもしれない。
人間関係のトラブルや
かかる病気でさえも
縁だと思えたなら、
この世はとても生きやすくなるだろう。
起こることすべてを
自然現象としてとらえていけたら、
それが悟りの境地なのかもしれない。
そしてそれは、
努力・忍耐・根性などでは
どうにもやらない。
生きてるうちに
悟れるかもしれないし
悟れないかもしれない。
つまり、
追い求めるものではない。
ちなみに私は明日、
眼の手術をする。
眼の中に人工レンズを入れる手術だ。
不安も恐怖もある。
成功してほしいと祈る気持ちもある。
失敗しても自然現象だから仕方ない、
と割り切れる訳ではない。
不安、恐怖、希望、期待、感謝など、
すべてに反応してしまうと思う。
それが今の私のありのままなのだから
それでいい。